婚約してから十年、私に興味が無さそうなので婚約の解消を申し出たら殿下に泣かれてしまいました

ジェフェリーの休日


「母上、お呼びですか?」


 週末(王宮)に帰ると早速母である王妃に呼び出された。丸テーブルがあり母の座る前に用意された椅子に座る。

「少し聞きたいことがあるのだけれど? 良いかしら?」


 若干の怒気を含んだ声……何かやらかしただろうか? 急ぎの書類などないはずだ。


「はい、勿論です。何かありましたか?」


 心当たりは……


「セリーナの事なんだけど」


 ……!!


「セリーナに何か! もしかして昨日の外出で体調不良になったとか!」

 慣れない街歩きで靴擦れをしたとか? 食べ慣れないものを食べてお腹を壊したとか? 王宮医師の手配を! ガタンッと席を立つ。

< 63 / 162 >

この作品をシェア

pagetop