婚約してから十年、私に興味が無さそうなので婚約の解消を申し出たら殿下に泣かれてしまいました
「死にたくなかったらとっとと誤解を解きなさい! 先日セリーナとお茶をしていたら、慣れない寮生活が寂しいと言っていたわよ。あなた何をしているの! こんな時こそ寄り添うのがパートナーでしょうが!」
「私もそうできればどんなに幸せか……」
「うじうじしてないで、とっととなんとかしなさい! 仕事ばっかりして!」
「仕事をしないと……書類が滞ると民のためにならないではないですか……」
「……そうでした。あなたの仕事ぶりは陛下も宰相も大臣も褒めていたわ、よくやっています」
「お褒めいただきありがとうございます」
「良いですか? とりあえず仕事はほどほどに、セリーナの事を早急によ!」
「はい」
「私たちがなんとかしようとするのは嫌なんでしょう?」
「自分の口で伝えないと意味がないと思います」