婚約してから十年、私に興味が無さそうなので婚約の解消を申し出たら殿下に泣かれてしまいました

「今日はセリーナが王宮に来る日ではなかったのか?」

 朝からソワソワしてセリーナを待っていた。


「言っていませんでしたか? 今日は用事があるそうで、一昨日王宮に来られました。夕方に来られて、その後ランディ侯爵とお帰りになられましたよ」

「聞いてない!」


「言いましたよ。でも殿下はうつらうつらとされていたかも知れませんねぇ」



「徹夜した時か……あの時か」


「そうですね」


「あっ、こちら大臣からで思ったより整備が安く上がりそうだとお褒めの言葉を頂きましたよ」


「うむ。市民の会社を何社か使う。それに市民を雇えば、生活も少しは楽になるだろう。冬支度に間に合う様に給金も出すように」


「はい、その様に致します」



 セリーナが来ない事を伝えて、がっかりするジェフェリーを仕事の話で誤魔化す側近達だった。





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