婚約してから十年、私に興味が無さそうなので婚約の解消を申し出たら殿下に泣かれてしまいました
「おはようございます。セリーナ様!! どうかされましたの! 頭を上げてくださいな。ジュリアナ様何があって?!」
またいつもの令嬢ね。邪魔する気?
「おはようございますシーラ様。ジュリアナ様に私の至らないところを教えていただいたのです」
まぁ、その通りよね。教えてあげたの。世間知らずなお嬢様に。
「そんなことがあったのですね。でも頭を軽々しく下げるのはジュリアナ様のためにも良く無いと思いますわ」
「そう……ね。ここは公の場ではなく学園ですから咎める人はいないでしょう。これからは気をつけますわね」
「はい。セリーナ様、私も差し出がましい真似をして申し訳ございませんでした」
なんの話かしら? 貴族のそういうところって嫌! 謝るときは頭を下げるのは基本でしょうに……。それにジェフェリー様の婚約者でいられるのもいつまでかしらねぇ。
それにしてもこのシーラって令嬢は以前私に謝ってきたじゃないの! 何が違うのかしらね