婚約してから十年、私に興味が無さそうなので婚約の解消を申し出たら殿下に泣かれてしまいました
手紙が届く
「セリーナお嬢様、殿下からお手紙です」
トレーに載せた手紙を侍女が持って来ました。
「まぁ、殿下から? 珍しいですわね」
封筒を確認すると、確かに私の名前が書いてありますし、差出人も殿下の名前ですわね。確認後封を開けました。
【セリーナ、今までの誤解を解きたい。一緒に過ごす時間が欲しい。なるべく早く。返事を待っている】
誤解を解く? よく分かりませんが、返事をお待ちしていると言う事です。それならばと筆を取りました。
【ジェフェリー殿下、それでは明日の放課後は如何でしょうか? 場所の指定をくださればそちらに向かいます】
婚約解消の話もしなくてはなりませんもの。そろそろ自由にして差し上げましょう。私は殿下の足枷にはなりたくありませんもの。お父様も解決すると言っていましたから、殿下からのお言葉があるのかもしれません。
するとすぐに殿下から返事が来ました。
【明日の放課後学園の私の執務室へ来て欲しい。セリーナが来るのを待っているよ】