婚約してから十年、私に興味が無さそうなので婚約の解消を申し出たら殿下に泣かれてしまいました
「ごきげんよう、ジュリアナ様」
「あら? セリーナ様またこいつらと話をしているの?」
ジュリアナ様の話も伺いたくて話を聞いてみる事にしました。市民の暮らしに初めて触れてまたお買い物へ行きたいと思ったからです。
「えぇ。色々と教えていただいてますの。ジュリアナ様はいつもどちらでお買い物をされているのですか?」
「お買い物ですかぁ? うちは取り寄せですわね。欲しいものは注文して持ってきてもらうのです。人混みは苦手なので」
「そうですのね。私たちと変わらないのですね。商人が屋敷に来て、」
「……バカにしている様ですが、うちは裕福な家です。そいつらと一緒にしないでくださる! 失礼ですわ!」
(ジェフェリー様はこんな嫌味な人のどこが良いのかしら)
ボソッと最後に殿下の事を口にされました。何か誤解があった様ですわね。