婚約してから十年、私に興味が無さそうなので婚約の解消を申し出たら殿下に泣かれてしまいました

「殿下にはご迷惑をおかけします」

 スカートの両端を持って頭を下げるセリーナ。

「迷惑なんかではない。それではセリーナあとで。あと君、名前なんだっけ?」

 ジュリアナはポカンとした顔でジェフェリーを見た。



「……ジュリアナさんですよ、殿下」


「あぁ、そうだった忘れていた。失敬。君もあとで話を聞かせてくれ」


「……はいジェフェリー様」



< 95 / 162 >

この作品をシェア

pagetop