私の恋人と執事はいつもいがみ合っている
蒼志と星那。

小学校の入学式で、出逢った二人。
小学一年生の時、星那に一目惚れをして、ことある毎に星那を気遣い、星那の信頼を勝ち取ってきた蒼志。

しかし過保護な星那の両親と河冨、そして蒼志自身も思春期に入り、心のバランスが取れなくなったのを期に一度星那と距離を取っていた。
(それでもずっと気にかけていて、何かあった時はすぐに駆けつけていた)
好きでもない女子と付き合ってみたり、友人との遊びに没頭したりして、星那には言えない悪いこともしてきた……

それでもみるみる美しくなっていく星那に、蒼志の心は常に奪われ続け、幼馴染みの関係のままの片思いの狂おしい日々を過ごすようになっていた。

告白をしたのは、星那。

高校三年生の春。
星那の告白を受けてから、プラトニックな関係を続けてきた。

そう。
蒼志と星那は、軽いキス以上したことがないのだ。

河冨が常にくっついていたというのもあるが、ピュアな星那にキス以上のことができなかった蒼志。

告白もそうだ━━━━━

嫌われるのが怖くて、ずっと“久瀬川 星那”の中に踏み込むことができなかった………



しかし“婚約”という契約で、蒼志の中の何かが爆発した。

「ん……ふは…んん…!!?」
口唇が重なって、深くなっていく。
次第に蒼志の舌が入ってきて、びっくりして離した星那。

「星那、逃げちゃダメっつったじゃん」
「だ、だって/////し、舌がぁ…/////」

「嫌?怖い?」
星那の口唇をなぞりながら言う、蒼志。

「ううん…嫌…じゃない……
ただ…//////」

「ただ?」

「ドキドキして、身体がおかしい…/////」

「嫌じゃないなら、またしたい…ダメ?」

少し首をかしげ言ってきた蒼志に、星那は顔を赤くしながら「いいよ…」と頷いた。

また口唇が重なって、深くなって、身体が熱くなる。


「はぁ…星那……」
「はぁはぁ…あ…く…/////」

「ごめん、星那…俺、我慢できない……」
額と額をくっつけ言った、蒼志。

「へ…?」





「俺、星那を……抱きたい…………!」



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