私の恋人と執事はいつもいがみ合っている
「……っ…//////」
蒼志の告白に、星那が更に顔や耳まで赤くする。

星那の心臓は、ドドドド…と物凄い早さで動き始めた。

「………」
「……//////」

星那を組み敷いたまま、ジッと見つめる蒼志。


「………って…やっぱ…嫌だよな…?」

「え……?」

ゆっくり星那から離れ、座った蒼志。
「あんな深いキスだけでも、星那にとっては凄い事だろ?
それ以上は、ハードルが高過ぎるよな……(笑)」

呟くように言った蒼志。
星那は、ゆっくり起き上がり蒼志を見つめた。

「え?あーくん?」

「ごめんな、星那。
婚約できただけで、俺は幸せだよ?
ほんとに!
でも、ずっと我慢してた欲が爆発したっつうか……
タガが外れたっつうか…
…………ごめん!
俺、頭冷やしてくる!
先に風呂入ってくる」
ソファから立ち上がり、リビングを出ていこうとする。

「あーくん!」

「ん?
星那も疲れただろ?
風呂入って寝よ?
あ、寝る時は抱き締めさせて!」
呼び止めた星那を振り返り微笑む。
そして、リビングを出ていった。


しかし星那の目には、その蒼志の表情がとても切なく映る。

違う━━━━━━
そんな顔をさせたいわけじゃない。

蒼志にお泊まりを誘われた時、星那はちゃんと覚悟をして来た。

恋愛経験のない自分のために、蒼志に“かなり”無理をさせていたことは星那もちゃんとわかっていた。

しかし、蒼志に“自分から”誘うなんてできなかったのだ。

星那にとっては、告白するだけで精一杯だった。



正直、怖い━━━━━━━

でも星那だって、蒼志ともっと…近づいて愛し合いたいと思っている。

だから、今回のお泊まりを受け入れたのだ。



リビングを出ていった蒼志を追いかける。
そして、風呂場のドアを何度もノックする。

「あーくん!あーくん!」

シャワーを浴びている蒼志の影が揺れて、ガチャとドアが開き顔だけ出してきた。

「星那?どうした?
エッチ~(笑)」

「あ…/////ご、ごめんなさい/////」

「フフ…なーんてな!(笑)
で?どうした?」


「わ、わ、私も……入ってい…?/////」


「………え?」
「……/////」

「は?お前…何言って……/////」
思わぬ告白に、さすがの蒼志も動揺する。



「嫌じゃないよ!
私だって、あーくんに抱かれたい……!
そのつもりで、お泊まりをOKしたんだよ!」
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