私の恋人と執事はいつもいがみ合っている
「え?好きだよ?」

「………どのくらい?」
更に不機嫌になり言った、蒼志。

「え?どの?
うーん……
河冨は、お兄様みたいな感じなの。
パパに対してみたいな、家族みたいな。
だから、どのくらい?って聞かれてもわかんない」

「じゃあさ。
例えば……例えばな?
河冨とキスしたり、セックスしたりできる?」

「え!?か、河冨と!?/////
む、無理だよ!
あーくんだから、出来るのに……/////
キスとか、エッチ…とか…/////
あーくんとじゃなきゃやだよ…//////」

「そうだよな!
ごめん!変なこと聞いて」
星那の言葉にパッと笑顔になり、星那の頭を撫で言ったのだった。



一方の河冨━━━━━━━

「…………やっぱり、思った通りだ…」
自室でベッドに仰向けになり、天井を見上げて呟いた。

どんな形でも、星那の傍にいたい━━━━━━

その為には、蒼志に受け入れさせないとならない。

自分が言っても、絶対受け入れないのはわかっていた。
だから、星那の両親を使ったのだ。

蒼志は、久瀬川家の人間には頭が上がらないから。


“それで……お願いがあります━━━━━”

『旦那様、奥様。
蒼志様のマンションの下の階に住むこと、きっとお嬢様は受け入れてくださると思います。
しかし、蒼志様はきっと………』

『大反対するだろうな。蒼志なら。
あいつは、独占欲が強いもんなぁ』

『しかし蒼志様のいない日中、お嬢様はお一人になります。
だから━━━━━━』

『フッ…!河冨』
『え?は、はい』

『そんな回りくどい言い方せずに、はっきり言え』

『え?』

『“蒼志を説得してほしい”んだろ?』

『はい』

『わかった。
俺達も心配なのは、本当だしな。
“俺達のワガママ”ってことで、蒼志には言おう』

そして河冨は、下の階に引っ越すことを確約することが出来たのだ。



「━━━━━そろそろ俺、帰る」
「え……あ…うん…」

ゆっくり立ち上がる蒼志を、切なそうに見上げる。

「そんな顔すんなよ!
帰れなくなるだろ?」
星那の頬に触れ、蒼志も切なく笑う。

「ご、ごめんね……!」

「…………
……星那」

「ん?」
「ちょっと、ジッとしてろよ?」
そう言うと、蒼志が星那の首に吸い付いた。

「んんっ!!?」

「………フフ…ついた!
星那、鏡見てみろよ」

星那が手鏡を持ってきて見てみる。
「あ…////」

「キスマーク!
“星那は俺のって印”
消えたら、またつけてやる!
…………だから…笑って?」

頭を撫で微笑む蒼志に、星那も微笑んだ。

< 25 / 81 >

この作品をシェア

pagetop