私の恋人と執事はいつもいがみ合っている
星那が、芽郁の向かいに座った。

「フフ…久しぶりだね!大学が別々だから、なかなか会えないもんね。
…………芽郁ちゃんは、何飲むか決めた?」
メニューを芽郁に見せながら、微笑んだ星那。

「うん」
「ん?芽郁ちゃん?どうしたの?」

モジモジしている芽郁。
星那は首をかしげ、芽郁の顔を覗き込んだ。

「あのね/////」
「うん」

「星那に、しょ、紹介したい人がいるの////」
「ん?」

「もうすぐ来るんだけど、私…恋人が出来たの!」
「え?ほんと!?
キャー!素敵~!」
照れながら言った芽郁に、星那もパッと明るくなり微笑んだ。


10分程して、男性が入ってきた。
キョロキョロしている男性に、芽郁が軽く手を上げた。
「こっち!」
芽郁の存在を認めると、微笑み近づいてくる。
そして「遅くなってごめんな」と言い、芽郁の隣に座った。

「星那。
彼、瀬渡(せと) 卓士(たくじ)くん!
で、こちらが星那!」

「へぇー!やっぱ、間近で見るともっと可愛い……」
「「え?」」

呟く卓士に、星那と芽郁は目をパチパチして見る。

「………あ!ううん!
卓士です!よろしくです!」

「芽郁ちゃんと仲良くさせていただいています、久瀬川 星那と申します!
こちらこそ、よろしくお願いします!」
お互いに微笑み挨拶をした。


「━━━━でも、芽郁ちゃん。いつお知り合いになったの?」
「3ヶ月くらい前かな?」

「そうなんだ!フフ…素敵ね!」

「フフ…あ!星那、婚約おめでとう!
会ったら、ちゃんとお祝い言おうと思ってたの!」

「うん!ありがとう!」
星那は、左手の薬指の指輪に触れた。

「━━━━━相手、草壁 蒼志さんですよね?」

「え?あ、はい!
どうして、それを?」

「あ!卓士くん、星那と同じ大学なんだよ?二年生。一つ年下なの」
「え?そうなんですか!?」

「芽郁に聞いて、びっくりしました!
まさか、あの王子と姫が芽郁の友達だなんて!
二人は、いつも目立ってるでしょ?
俺もよく、友達と遠くから見てたから」

「そ、そんな…お恥ずかしい/////」


一時間程話し、店を出た。
星那は、河冨に電話をかけた。

『はい、お嬢様。お帰りになりますか?』
「うん。お店の前で待ってるね!」
『はい!1分程で着きますので!』

電話をしている後ろで、芽郁と卓士が話す。
「誰か来んの?」
「ん?星那の執事さん。
私達は行こ?
星那、また━━━━━━」

「えー!俺、会ってみたい!
星那ちゃんの執事」

「え?やめておいた方が………」

そんな話をしていると、河冨の車がゆっくり星那の前で止まった。
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