私の恋人と執事はいつもいがみ合っている
「━━━━許してないって何?」
去っていく車を見ながら言う、卓士。
「あ、うん…
私、中学の時に苦手なクラスメートがいて、その子達ガラの悪い不良で………
高校では離れたから安心してたんだけど、高二の時かな?
突然、会いに来て“星那に会わせろ”って言われたの。
星那は、こんな私の友達になってくれた大切な子。
でも怖くて、断れなくて………
星那を会わせた。
━━━━━━そしたら、星那がその子の男友達に襲われそうになったの。
幸い、河冨さんと蒼志くんが助けに来てくれたから、星那は無事に帰れたんだけど………」
「じゃあ、その事を?」
「うん。蒼志くんと河冨さんに“もう二度と星那の前に現れるな。高校も退学して消えろ”って言われた。
でも星那が必死に二人を説得してくれて、私は今でも仲良くさせてもらってるの」
「そうゆうこと……!」
「ごめんね、こんな話……」
申し訳なさそうに肩をすくめる芽郁。
卓士はゆっくり首を横に振り、微笑んだ。
一方の星那と河冨━━━━━━━
河冨が運転席に乗り込むと、星那は電話をしていた。
「━━━━━うん、うん。
あ!河冨が来たから、一旦切るね!」
「お嬢様、お待たせしました」
「うん!」
エンジンをかけ、ゆっくり車を走らせる。
前を見たまま、星那に声をかける。
「今、蒼志様ですか?電話の相手」
「うん!メッセージが入ってたから」
「そうですか」
「あーくんに怒られちゃった!」
「え?」
「瀬渡さんに会ったこと。
芽郁ちゃんの彼氏だからって、勝手に会うなって」
「そうですか」
「………」
「……ん?お嬢様?」
「…………河冨も、怒ってる?」
後ろから、窺うように言う星那。
その不安そうな声色に、河冨は赤信号で止まり後ろを振り返って微笑んだ。
「怒ってませんよ。
僕は、滅多にお嬢様に怒ったりしない。
お嬢様には、常に優しく穏やかでありたいと思ってますので」
「うん。良かった……!」
「しかしお嬢様。
もう少し、警戒心を持ってください。
あまり人を信用してはダメですよ?
また、高校の時のようになっては大変ですから!」
「………」
河冨の言葉に、目をパチパチさせる星那。
「え?お嬢様?」
「フッ…フフ…フフフ……」
クスクス笑いだした。
「え?え?お嬢様?」
「今の言葉、あーくんとそっくり!(笑)」
「は?」
『星那、もう少し警戒心を持って?
あんま、人を信用すんなよ!
また、高校ん時みたいになったら大変だろ!?』
星那は終始、クスクス笑い続けていた。
去っていく車を見ながら言う、卓士。
「あ、うん…
私、中学の時に苦手なクラスメートがいて、その子達ガラの悪い不良で………
高校では離れたから安心してたんだけど、高二の時かな?
突然、会いに来て“星那に会わせろ”って言われたの。
星那は、こんな私の友達になってくれた大切な子。
でも怖くて、断れなくて………
星那を会わせた。
━━━━━━そしたら、星那がその子の男友達に襲われそうになったの。
幸い、河冨さんと蒼志くんが助けに来てくれたから、星那は無事に帰れたんだけど………」
「じゃあ、その事を?」
「うん。蒼志くんと河冨さんに“もう二度と星那の前に現れるな。高校も退学して消えろ”って言われた。
でも星那が必死に二人を説得してくれて、私は今でも仲良くさせてもらってるの」
「そうゆうこと……!」
「ごめんね、こんな話……」
申し訳なさそうに肩をすくめる芽郁。
卓士はゆっくり首を横に振り、微笑んだ。
一方の星那と河冨━━━━━━━
河冨が運転席に乗り込むと、星那は電話をしていた。
「━━━━━うん、うん。
あ!河冨が来たから、一旦切るね!」
「お嬢様、お待たせしました」
「うん!」
エンジンをかけ、ゆっくり車を走らせる。
前を見たまま、星那に声をかける。
「今、蒼志様ですか?電話の相手」
「うん!メッセージが入ってたから」
「そうですか」
「あーくんに怒られちゃった!」
「え?」
「瀬渡さんに会ったこと。
芽郁ちゃんの彼氏だからって、勝手に会うなって」
「そうですか」
「………」
「……ん?お嬢様?」
「…………河冨も、怒ってる?」
後ろから、窺うように言う星那。
その不安そうな声色に、河冨は赤信号で止まり後ろを振り返って微笑んだ。
「怒ってませんよ。
僕は、滅多にお嬢様に怒ったりしない。
お嬢様には、常に優しく穏やかでありたいと思ってますので」
「うん。良かった……!」
「しかしお嬢様。
もう少し、警戒心を持ってください。
あまり人を信用してはダメですよ?
また、高校の時のようになっては大変ですから!」
「………」
河冨の言葉に、目をパチパチさせる星那。
「え?お嬢様?」
「フッ…フフ…フフフ……」
クスクス笑いだした。
「え?え?お嬢様?」
「今の言葉、あーくんとそっくり!(笑)」
「は?」
『星那、もう少し警戒心を持って?
あんま、人を信用すんなよ!
また、高校ん時みたいになったら大変だろ!?』
星那は終始、クスクス笑い続けていた。