私の恋人と執事はいつもいがみ合っている
大騎「まぁ…ずーっと片想いしてたもんなぁ、王子」

智久「だな。姫様、告白なんて日常茶飯事でさ。
その度に、王子が荒れてたな(笑)」

大騎「そうそう!
クラスの奴等に手当たり次第、喧嘩ふっかけてさ」

智久「止めるの大変だったな(笑)」

大騎「だったら早く告れって何回も言ってんのに」
智久「“だって、振られたら生きていけねぇもん”って……」

大騎「だから高三の時告られて、スゲー嬉しそうだった!」
智久「だよな(笑)あの時の王子、今思い出してもウケる(笑)」

実波「星那ちゃんも言ってたわよ!」


プレゼントを買いに行ったあの日━━━━━━

実波『え?』
陽香『星那ちゃんから告白したの?』

星那『はい!
高校三年生の時かな?
本当はもっと早く告白しようと思ってたんですが、怖くて………』

実波・陽香『怖い?』

星那『振られたらどうしようって、そんなことばっかり考えて……』

実波『そっか』

星那『そしたらいつの間にか、あーくんに彼女さんが出来てて。
苦しかったなぁ……
でもすぐに、別れたって聞いたんです。
だから、もう……当たって砕けろって!
告白して、気持ちだけでも伝えようって!』

陽香『で!OKもらえたってことね!』

星那『はい!』



実波「━━━━だから今は、本当に幸せって言ってた!」
陽香「婚約もできて、幸せだって!
あの時、頑張って良かったって!」


それから━━━━━━

大騎「もうそろそろ、俺と実波は出るから!」
実波「じゃあ、また!
みんな、素敵なクリスマスにしてね~」

智久「じゃあ、俺達も出るか!」
陽香「そうね!星那ちゃん“頑張って”ね!」

星那「あ……は、はい!」

四人が出ていき、蒼志はホッとしたように息を吐いた。
蒼志「やっと、邪魔者がいなくなった……」

星那「あーくん?」
蒼志「ん?俺達も、出るか!」

カフェを出ると、雪が薄く積もっていた。

星那「わぁー、白くなってる!
フフ…なんか、綺麗ね!」
蒼志「フフ…でも、気をつけて歩かねぇと!」

星那「そうだね!」
指を絡めて繋ぎ、ゆっくり歩く。

音楽イベントやその他のイベントを楽しみ、辺りが暗くなってきた頃。

街がライトアップされ始めた。
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