私の恋人と執事はいつもいがみ合っている
それから、蒼志の自宅マンションに向かった二人。

エントランスから、女性が出てきた。
「あ!ちょうど良かった!
坊っちゃま、お帰りなさいませ」

「ん。済んだ?」
「はい!滞りなく!」

「サンキュ」

「では、私はこれで。
星那様も、失礼しました!」

「あ、はい!
さようなら、お気をつけて!
…………ん?どうして、満島さん?」

満島は、草壁邸の住み込みの家政婦だ。
蒼志が生まれる前から仕えている人間で、蒼志の第二の母親のような人物。

「ん?
家に帰ってからのお楽しみ!」


中に入ると━━━━━━

「す、凄い………!」
綺麗に、クリスマス仕様に飾りつけがされていた。
テーブルにも美味しそうな料理が並んでいる。

「星那」

「え?」

「Merry Christmas!!」
両手を広げ、微笑む蒼志。

「あーくん…
…………フフ…Merry Christmas!!」
星那も、蒼志に抱きついた。


「さ!食べようぜ~!
満島の飯は美味しいぞ?」

「フフ…だね!
…………あ////でも、ちょっと待ってて!」
「ん?」

「待っててね!」
星那は、大きな鞄の中から袋を取り出し、一度ダイニングを出た。

風呂場に向かい、袋の中からある物を取り出した。
「……/////」

可愛いが、ちょっとセクシーなサンタ服だ。

“年に一度でしょ?
たまには、誘惑しなよ!”
実波と陽香に言われた言葉だ。

今幸せだから、この幸せがいつか壊れそうで怖い。
あーくんは素敵だからモテるし、私より素敵な人はいくらでもいる。

そう……星那が言ったので、実波と陽香が言ってくれたのだ。


「よし!!」
気合いをいれ、星那はサンタ服に着替えた。


ダイニングに戻り、ドアを開ける。
蒼志は、ベランダで煙草を吸っていた。

「あ…あーくん!!」
ベランダに向かって声をかけると、蒼志が「ん?」と返事をして煙草を灰皿に潰し振り返った。

「は?」
蒼志が固まっている。

「ど、どうかな?/////」

蒼志が動き出し、ゆっくり星那に近づく。

「どうしたの?このエロかわサンタ」

「今日、クリスマスだから…/////」

「可愛い////」

「ほ、ほんと?」

「うん/////可愛すぎて、どうにかなる/////」
星那を包み込んで、額をくっつけた。

「あーくん…/////」
「ズルいよ、星那/////」
「え?」

「また、どうしようもない欲が出てくるじゃん!」
「え?え?」


「ねぇ……このまま、星那を閉じ込めていい?」
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