私の恋人と執事はいつもいがみ合っている
「え…!?ちょっ……あーくん!?
どうしたの!?
ちょっ…は、恥ずかしいよぉ…//////」
びっくりして振り返る星那。

「………俺だけのモノにしたい」
星那に頬を擦り寄せて言う、蒼志。

「え?ど、どうしたの?」

「今朝話しただろ?
“どのくらい好き?”ってやつ」
「え?あ、あぁ…/////」

「俺は、星那を俺だけのモノにしたいくらい好き……!」
「う、うん/////
………………あ、あの、あーくん。
恥ずかしいから、離れて?」

「やだよ!
このまま!
ほら、決めよ?」
「う、うん…/////」

ピアスを決めて、包んでもらっている間、二人は指輪を見ていた。
「指輪も、素敵ね!」
「あぁ、そうだな」

「この指輪、ダイヤが散りばめられてて綺麗…////
あ!こっちは、星型?綺麗…////
でも、もしつけるなら、こっちかな~?」
蒼志は星那の腰を抱いて、ジッと星那の姿を見つめていた。


店を出ると河冨が待っていて、星那の姿を認めると嬉しそうに微笑んだ。

「………」
いつもそうだ。
河冨は、星那のことを心底嬉しそうに見つめている。
その表情を見て、何故か蒼志はいつも言葉にならない嫉妬心で苦しくなる。

「お嬢様。どんなピアスを買われたのですか?」
「フフ…見て~!」
自身の右耳を見せる。

「綺麗ですね!シンプルだけど、シックで星が散りばめられてて!」
「そうなの~!星那の星~」

「良かったですね!」
「うん!」
「では、帰りましょうか?
もう、17時を回っていますので」

「そうだね」
「では、お車へ!
すぐそこに停めて━━━━━━━」

「星那!!」
「え?」
河冨に誘導され、車に向かおうとする星那を呼ぶ蒼志。

「俺、ちょっと用を思い出した。
今日は、ここでいい?」

「え………そう…なの?
ここで、バイバイ?」
明らかに星那の表情が変わった。
切なく見上げる星那に、蒼志はゆっくり頭を撫でた。
「ごめんな。
また、明日な!」

「うん…わかった。じゃあ、明日ね。
あ!帰り、気をつけてね!
あと、もし良ければ……後から電話…していい?」

窺うように見上げる星那に、蒼志は微笑み「もちろん!」と言った。

離れがたそうに小さく手を振り、車に乗り込んだ星那。
星那を安心させるように微笑み車を見送った蒼志は、先程のジュエリーショップに戻った。

「あれ?先程の…お忘れ物ですか?」

「いや、婚約指輪…買いたくて」

「はい。どのような?」

「これ…!」
「あぁ!先程、彼女さんが見られてたこれですね!
しかし、これは婚約指輪ではないですが……
こちらは、ペアリングですので……」

「いいんだ。
彼女が、欲しそうにしてたから!」
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