私の恋人と執事はいつもいがみ合っている
岳玄「ごめんね。こんなこと言ったとこで、星那が僕のモノになるわけないのに……」

星那「………岳玄くん…」

岳玄「星那」

星那「ん?」

岳玄「━━━━━ずっと好きだった」

星那「岳玄くん…」

岳玄「ほんとは今日、蒼志から奪うつもりで来たんだ……!」

星那「え……」

岳玄「でも……」
星那の頬に触れる、岳玄。

星那「岳玄く……」

岳玄「星那の顔見たら、奪うなんてできない……!
きっと……星那を傷つけることになるから…」

そして岳玄は、頬から手を離し星那を見据えた。

岳玄「星那、僕を振って!!きっぱり!」

星那「え?」

岳玄「この二年間、彼女を作ってみた。
でも、星那と比べちゃって……
ずっと星那に囚われてるんだ、僕。
このままじゃ、前に進めない!」

岳玄の真っ直ぐな想いに、星那も真っ直ぐ岳玄を見上げた。
一度、ギュッと目を瞑り━━━━

星那「岳玄くん」

岳玄「うん」

星那「私は、あーくんが好きなの。
あーくんが、冷たい人だってわかってる。
でも、私は……
あーくんと一緒じゃないと、幸せになれない!
だから、岳玄くんを好きにはなれません!
ごめんなさい!」

はっきり言って、頭を下げた。

岳玄「………はぁぁ…」
大きなため息をつく、岳玄。

星那「え?え?岳玄くん!?」

岳玄「結構、傷つくなぁと思って……(笑)」

星那「ご、ごめんね!」

岳玄「ううん!きっぱり振ってって言ったの、僕だし!
すぐとはいかなくても、前に進めそう!」

星那「うん!
…………岳玄くん、ありがとう!」

岳玄「え?」

星那「好きになってくれて、ありがとう!」
微笑み言う、星那。

岳玄「星那…」

星那「行こ?
早く戻らないと、あーくんが心配━━━━━━」
グッと引き寄せられ、抱き締められていた。

岳玄「はぁ…なんで、こんな好きなんだろ?
なんで、こんな柔らかいの?
なんで、こんな温かいの?
なんで、心を離してくれないの?」

星那「岳玄くん、離して!」

岳玄「うん…」

星那「私は、あーくんがいい!」

岳玄「うん…」

星那「あーくん!あーくん!あーくん!!」

星那は必死にもがきながら、蒼志の名前を呼んでいた。


◯◯「━━━━━━星那!!!」
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