私の恋人と執事はいつもいがみ合っている
蒼志達は、母校に来ていた━━━━━━

星那が、学校に行ってみたいと言ったからだ。


大騎「門、やっぱ閉まってるぞ…」
蒼志「だよなぁー」
智久「普通に考えたら、そうだよな(笑)」

岳玄「だって、こんな時間だし……」

時計は、20時を過ぎている。

星那「やっぱり、無理だよね…」
芽郁「でも、懐かしいね!」

星那「うん!
まだ二年しか経ってないのにね(笑)
みんな、ごめんね。
私が学校行ってみたいって言ったから……」

大騎「ううん~!」
智久「なぁ!確か、裏からだったら越えられなかったかな?」
岳玄「あぁ…裏門の横の柵?」

蒼志「行ってみる?星那」

星那「でも……」
芽郁「行ってみよ?」

「行こうぜー」
「行こ行こ!」

裏門に向かう。

大騎「おっ!行けんじゃね?」
智久「だろ?」
岳玄「越えちゃう?(笑)」

すると、蒼志が楽々と柵を越えた。
蒼志「星那!おいで?」

柵のてっぺんで、星那に手を差し出す。

星那「う、うん…」
ゆっくり、柵に足をかけて登る。

蒼志が下に飛び降りて、星那に向かって両手を広げた。
蒼志「星那!俺に向かって飛び降りて!
大丈夫だから!」

星那「え!?む、無理ぃ…」

その間にも、大騎達は楽々と登り飛び降りていく。

芽郁「星那!そんな、怖くないよ!」

大騎「姫様!大丈夫!」
智久「王子が必ず抱き留めるから!」

「星那!大丈夫よ!」
「姫様!!」

みんなが星那を見上げ、声をかけている。

星那(どうしよう……怖い、怖い、怖い…)

蒼志「星那、大丈夫!俺が絶対に受け止めてやる!」

しかし星那は、怖くて固まってしまう。
すると岳玄がもう一度登り、蒼志に向かって言い放った。
岳玄「蒼志!僕が星那を軽く押すから、抱き留めて!」

蒼志「ん。了解!!」

岳玄「星那、目を瞑って!
で、力を抜いて!
いい?
絶対大丈夫だから、僕と蒼志を信じて?」

星那は、蒼志と岳玄を見る。
二人とも、微笑んでいた。

ゆっくりと頷いて、ギュッと目を瞑った。
すると背中が軽く押され、ふわっと浮いた。


トン━━━━
恐る恐る目を開ける。
星那は、蒼志にしっかり抱き締められていた。
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