私の恋人と執事はいつもいがみ合っている
ペアリングを購入し、自宅マンションに帰った蒼志。
早速、星那に電話をかけた。

『あーくん!!』
嬉しそうに電話に出た星那。

この声色に、蒼志も嬉しくなる。
「フフ…今、大丈夫?」

『うん!』
「土曜日、なんだけどさ!」

『うん!』
「俺ん家に、泊まりに来ない?」

『…………え…!!?と、泊まり!?』
「やっぱ……おじさんとおばさん、ダメって言うかな?」

『あ、いや、その…/////
だ、だ、大丈夫だと思う……』
「マジで!!?」

『う、うん。
ほ、ほら!私、今年成人式迎えたでしょ?
だ、だからね。
パパとママ、あーくんならいいよ!って言ってくれてるの。
お付き合いしてるわけだし……!』

「マジか!!じゃあ、おいで?
大事な話をしたいんだ!
スゲー大事な話。
だから、土日に星那の時間をちょうだい?」

『う、うん…わ、わかった!行く!』


蒼志は、その日にプロポーズをしようとしていた。

クリスマスでなんて、もう……待ってられない。

プロポーズを受け入れてもらっても、すぐには籍を入れられないのはわかっている。
きっと、大学を卒業しないと許してはもらえないだろう。

しかし“安心”が欲しかった━━━━━━━

星那が、自分のモノだという“安心”が。


河冨に、星那を取られそうな気がしてならない。
“ある意味”自分より、河冨を頼りにしている星那。

いつ、どんな形で心変わりをするかわからない。

河冨は、完璧を形にしたような男。

本当は“敵わない”と思うことが多々あるのだ。

星那の異変にはいち早く気づき、星那の行動を先読みして行動。
いつも冷静で星那を見守り、頼りにされている。

ペアのピアスをつけたら、河冨を牽制できるかと思ったが、河冨は余裕でピアスを褒めていた。

逆なら、その場でピアスを外させていたかもしれない。

というより、最初から理由をこじつけてショップ自体に行かせないようにしたかもしれない。


蒼志は、自身の余裕のなさと不安に押し潰されていた。



「パパ、ママ。
今週末ね……」

「ん?」
「何?」

「あーくんに、お、お泊まりしに来ないかって誘われたの/////
行って、いいかな?/////」

夕食中、両親に許可を得ようと話をしている星那。


その瞬間━━━━━ガシャーーーン!!とその後ろで、河冨がピッチャー落とした。
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