私の恋人と執事はいつもいがみ合っている
「咲恵」

「え?」

「もうやめろよ、こんな惨めなこと」

「………」

「この際だから、言っておく」

「え?」



「俺は、星那に出逢ったあの日から………
星那“しか”愛せない」


「………」

「誰といても、何をしてても、星那のことしか思い浮かばない」

「………」

「今だって、星那に会いたいとしか考えられない」

「………」

「星那のクリッとした目、ちょっと低い鼻、小さくてプクッとした口唇、小さな手や色白の身体も……全部!星那の全部が大好きだ。
笑顔、泣き顔、怒った顔“あーくん”って呼ぶあの可愛い声も……全部!
星那だから、抱き締めたい。
キスしたい、触れたい、抱きたい……!
……………星那じゃないと意味がないんだ!」

「蒼くん…」


「だから、もう……やめろ」

そう言うと、蒼志はゆっくりその場を去った。



蒼志は帰路につきながら、星那にメッセージを送った。
【会いたい】と━━━━━━

すると、星那から電話がかかってきた。

「もしもし!?」
『あーくん!』

「星那…星那!」
『凄い、シンクロ~!』

「え?」
『私もね!会いたいなって打とうとしてたんだよ?
凄くない?私達(笑)』

「マジで!?嬉しい!」
『待ってね、あーくん!』

「ん?」
『今から、パパに頼んでみるから!
OKが出たら、泊まりに行くね!』

「おぅ!!
あ、だったら俺も今からそっちに行こうか?
俺も一緒に頼むよ!」


そのまま久瀬川邸に向かうと、星那が荷物を持って待っていた。

「あーくん!パパに許可もらえたよ!」
そう言いながら、星那がパタパタ駆け寄ってきた。

蒼志も自然と両手を広げる。
星那が抱きついてきて、おもいきり抱き締めた。

「星那…星那…星那…」
何故か、目が潤み始める蒼志。


好きで、好きで、好きで堪らない━━━━━━


あぁ……本当に俺は………




星那しか、愛せない。

この先もずっと…………


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