私の恋人と執事はいつもいがみ合っている
ランチにしようということになり、河冨がレジャーシートを敷く。

そして、星那が作った弁当を広げた。

「おっ!!旨そ~!」
「ほんとに、美味しそうです!」

「フフ…早起きして頑張ったよ!
味も、大丈夫だと思う……!」


「……んじゃ、いただき━━━━━━」
「あ!ちょっとお待ちを、蒼志様!」

「あ?」

「写真に収めてから!」

「は?」

「もう/////河冨(笑)恥ずかしいよぉー」

「いえ!お嬢様の手作りは、全て何か形に残さないと!」

「フフ…(笑)」

「━━━━━っと待った!
お前、キモいよ……」

「は?キモいとは?」

「写真を撮ってどうすんの?」

「は?
後から、思い出に浸るためですが!
他にどのような理由が?」

「まさか!SNSにアップするんじゃねぇだろうなぁ!?」

「は?まさか!!そんな勿体ないことしません!
僕だけの、宝物ですので!」

「河冨、やっぱキモいよ…」

「は?
では蒼志様は、SNSをしてる方のことをそのように思っていらっしゃるのですか?
酷い男ですね……!」

「はぁ!?そんなこと言ってねぇだろ!?」

「ですが、今の発言は、そうゆうことですよね?」

「なんでそうなんの!!?」

“また”始まった、二人の低レベルないがみ合い。

星那は、クスクス笑いながら聞いていた。


「━━━━━とにかく!
写真は撮らせていただきます!
それくらい、受け入れてください」

そう言って、スマホで撮ろうとする。

しかし━━━━━━

「ちょっ…蒼志様!邪魔です!」

蒼志が邪魔をして、上手く撮れない。
撮る寸前に、ピースを入れてきたり、ドアップの顔を出してきたり………

「ほれ、ほれ!撮れねぇだろー?」

「蒼志様」
ズン!!と、河冨の雰囲気が落ちる。

「は?」

「え?河…冨…?」

「それ以上、邪魔をされるなら………
手が出ますよ?」
河冨とは思えない、低く重い声。

「は?
…………フッ…上等じゃん!
手、出してみろよ……!」
しかし、蒼志も同じように河冨を鋭く見据えた。

「へぇー、蒼志様は僕に勝てるとでも?」

「あぁ。負けるなんて考えられねぇよ」


二人のオーラが、黒く染まる。



「━━━━━二人とも、やめて!!」
そこに、星那の声が響いた。
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