不器用なあの子は、今日も一宮くんに溺愛されている。






「伊都―!久しぶりー!」


「伊都ちゃーん!元気だった?どう?もう転んだりしてない?怪我は?」


「……加奈子ちゃんに由香ちゃん!お久しぶりです!」


「ちょっと由香、アンタ久々に会った途端になんて失礼なこと言ってんの」


「だってー!伊都ちゃん中学時代メチャクチャ不幸体質だったからさー?あたしもう心配で心配で……」


「だ、大丈夫ですよ!今はめっきり転んだり滑ったりは……して、ません……ヨ?」


「絶対嘘でしょソレ!カタコトになり過ぎだし!」




中学時代は今よりもっと人見知りが激しくて、なかなか友達付き合いには不慣れな私だったけれど、それでも3年間同じクラスでずっと私のとなりにいてくれた加奈子ちゃんと由香ちゃんは、昔と変わることなく今日も笑ってくれた。





「それにしても人数多くない?」


「これ絶対クラスの人以外も呼んでるパターンだよね」


「な、なるほど!」




< 200 / 259 >

この作品をシェア

pagetop