不器用なあの子は、今日も一宮くんに溺愛されている。






最初はちょっとしたクラスの集まりだと聞いていたけれど、集まった人数が30人を超していたから、きっとクラス問わずに仲が良かった人たちも一緒に合流しているのだと由香ちゃんは教えてくれた。




それから私たちは団体割り引きを使用して、スポッチャに入ってみんなそれぞれに楽しんだり、カラオケに入ってみたり、久しぶりに出会えた人たちとの会話に花を咲かせて盛り上がった。



みんな、とても大人っぽくなっている。









「ねーねー、みんな次どこ行きたいー?」


「俺そろそろ腹減った!みんな食べて帰るっしょ?」


「ウチらは何時でもいーよ?」


「でもこの人数で空いてるところってあんの?」






程よく汗を書いて、店内を出るとすっかり日も暮れていた。


このあとのことは何も考えていなかったから、加奈子ちゃんたちに合わせようと携帯の時計をチラリと見ていたとき。









「ねぇねぇ、キミ南野さんだよね?」


「え?」



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