不器用なあの子は、今日も一宮くんに溺愛されている。
切なそうに、今にも泣きそうな表情で、それでも律くんは声を出す。
「時々不安になる。また伊都ちゃんが突然引っ越しちゃったらどうしようって。俺との記憶をまた忘れたら今度はどうすればいい?って」
「……」
「俺の一生をかけて、伊都ちゃんを大事にする。誰よりも幸せな女の子にする。だから………」
「俺と、これからもずっと一緒にいて?伊都ちゃん」
「キミの一番近くにいていい権利を、俺にちょうだい」
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