不器用なあの子は、今日も一宮くんに溺愛されている。
「……って、きゃ―――!」
「んんん!?伊都ちゃん!?」
そして、今に至る。
式にはたくさんの友達が来てくれて、みんなありったけの笑顔で祝福してくれる。
小さなころの、ただの口約束をずっと覚えていてくれて、私を見つけ出してくれた律くんのおかげで……私は今、この日を迎えることができている。
だから今度は私の番。
慣れない土地で、それでも上を目指してバスケをする律くんを、私が支えてあげたいと思う。
だって何よりも、私は律くんのことが大好きだから―――。
「ぎゃああああ!伊都ちゃんってば、なんでそこで転んじゃうのー!」
「アッハハ!!伊都ちゃんらしいね」
―【完】―
(律くんと伊都ちゃんの高校時代の番外編を書きます!!)