人魚と僕〜君を離さない〜
(こういう時どうしたらいいんだろう…)
とオロオロしていると
マリが彼女の頬をペロッと舐めた。
「ん…」
(そっか!!)
僕はひらめいた。
そして、彼女の唇と自分の唇を合わせ、息を送りこんだ。
「ん…ぷはっ。」
彼女はゆっくりと目を覚ました。
「あ!!気付きました?」
「?」
「あなたはここらへんでは見かけないようですが…どこからいらしたんですか?」
「えへへ…わかんない〜。」
彼女は幼い子供のように
にこにこと可愛らしい顔でそう言った。
「わからないって…名前は?」
「る…りか…‥琉璃花。」
「僕は那智。琉璃花さん、とにかく…僕の家に来ましょう?」
「うん♪ありがとう。」
「どういたしまして。琉璃花さん立てます?」
「立てにゃい。」
「仕方ないですね…」
僕は彼女をおぶって帰ることにした。
「では行きますよ。」
「わんわん〜。」
「…ああ、マリっていうんですよ。」
「まりーぃ♪わんわん〜」
彼女は再び笑顔になると
ジタバタしだした。
「わっ!!動かないで下さい落ちますよ。」
「えへへ〜♪」
そういえば彼女は少し言動がおかしい。
見た目は僕と同じぐらいの美しい少女なのに、
5歳児のような無邪気な言葉使いや動き。
「琉璃花さんはいくつなんです?」
「18さい。」
「なんだ、同年代じゃないですか。」
「どおねんだいってなあに?」
え?彼女は18歳なのに
そんな言葉も知らないのか?
「同い年ってことですよ。」
「なちも18さい…一緒一緒〜♪」
彼女ははたして本当に18なのだろうか…