❤️お前の身も心も捧げろ〜極道の寵愛は止められない
「葉月、どうしたんだ」

項垂れていた私に、西沢さんは心配そうに声をかけてくれた。

「あのう、私はこれからどうすればいいでしょうか」

「俺が守ってやるから、俺の側にいろ」

「でも……」

「でもじゃねえよ、一人で山辺から逃げられると思ってるのか」

西沢さんは私の腕を引き寄せ抱きしめた。

頭を撫でで、おでこにキスを落とした。

「可愛い、エミ、俺から離れるな」

えっ、エミ?

もしかして彼女さん?

別れちゃったのかな。

私はエミさんの代わり?

「エミさんって彼女さんですか」

「違う」

西沢ははっと気づいて、慌てて葉月から離れた。

「妹だ」

「妹さん」

西沢はエミのことを語り始めた。

「エミは俺を慕い、ヤクザの抗争に巻き込まれて命を落とした」

「そんな……」

「エミは腹違いの妹だ、俺はエミの母親からエミに近づかないでと
邪険にされた」

葉月は黙って西沢の話に耳を傾けていた。

「当然のように、不良仲間と悪さをして、警察に厄介になった、
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