❤️お前の身も心も捧げろ〜極道の寵愛は止められない
冨樫は葉月に近づいて声をかけた。

「おい、名前はなんて言うんだ」

「ミクです」

冨樫は人違いなのかと驚きを隠せなかった。

「こいつ、三年前に俺が拾った時、自分のこと何も覚えていなくて、俺が付けた名前です」

その男の言葉に、冨樫は葉月だと確信した。

「この女、差し出せば、借金チャラにしてやる、どうだ」

「本当ですか」

そして、冨樫は葉月に声をかけた。

「俺は冨樫組組長、冨樫雅也だ、俺と一緒に来ればもうこの男のために働かなくていいぞ、
一緒に来い」

そう言って葉月に手を差し伸べた。

葉月が躊躇していると、その男は葉月の背中を押した。

「連れてってください、借金チャラですよね」

葉月は仕方なく、冨樫の手を取った。

冨樫は葉月を引き寄せ抱きしめた。

そして、冨樫は葉月の肩を抱いて車にエスコートした。

葉月を乗せた車は発進した。

「俺のマンションへ行ってくれ」

「はい、かしこまりました」

葉月は外を見て、冨樫の方を向かない。

本当に記憶がないのか。

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