❤️お前の身も心も捧げろ〜極道の寵愛は止められない
冨樫は声をかけた。

「なあ、自分のことわからないのか」

葉月はゆっくり冨樫の方へ顔を向けて頷いた。

「そうか」

冨樫は三年振りの葉月との再会に心が熱くなり、思わず葉月の手を握った。

葉月は驚くこともなく、にっこり微笑んだ。

キャバクラで働いていたんだ、この程度で驚かないだろうと納得した。

冨樫は気持ちがエスカレートして、葉月を抱き寄せた。

ギュッと抱きしめて「葉月、葉月」と耳元で囁いた。

冨樫はそのまま車の座席に葉月を押し倒した。

「きゃっ」

葉月の頬に触れて、唇にキスしようとした。

その時、葉月は顔を背けた。

「いやだったな、いきなり悪かった」
「違います、なんか初対面で恥ずかしいです」

初対面?俺はこの時、葉月の中に俺はいないんだと確信した。

俺は葉月を抱き起こして、謝った。

「ごめんな」

「大丈夫です、変ですよね、キャバクラで働いているのに、恥ずかしいなんて」

「そんなことはないよ、すごく可愛い」

冨樫はじっと葉月を見つめた。

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