❤️お前の身も心も捧げろ〜極道の寵愛は止められない
それからしばらくして、葉月は個室に移された。

冨樫は葉月の手を握り、毎日寄り添った。

そんな時、握っている葉月の手がピクっと動いた。

「葉月、葉月」

葉月はゆっくり目を開けた。

「気付いたのか、今先生を呼ぶからな」

冨樫はナースコールをした。

「葉月が目を覚ましました」

「冨樫さん、怪我は大丈夫でしたか」

葉月は自分のことより、冨樫の怪我を心配した。

冨樫は葉月の手を握り答えた。

「俺は大丈夫だ、葉月のおかげで傷一つない」

「そうですか、よかったです」

「葉月、どうして俺を庇ったんだ」

葉月は恥ずかしそうに下を向いて答えた。

「葉月さんがこの場にいたら、どうするだろうと思い、でも答えが出ないうちに
身体が動いて、冨樫さんを庇っていました」

「葉月」

「冨樫さんは、こんな私に優しくしてくれて、私は愛する葉月さんの代わりは果たせているのかと毎日自問自答していました、冨樫さんが怪我をしないように、生活することを、葉月さんも考えるんじゃないかって思って……」
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