❤️お前の身も心も捧げろ〜極道の寵愛は止められない
「あのう、三年間探してやっと会えたって……」

「葉月は何も心配することはない」

冨樫は葉月の言葉を遮って、うやむやにした。

どう言うことなんだろう。

葉月は全くわからなかった。

はっきりしていることは、借金を肩代わりしてくれた、冨樫さんの側にいて、

冨樫さんが愛する葉月さんの代わりをすることだった。

そう、葉月は自分が冨樫の愛する葉月自身とは思いも寄らなかった。

まして、三年前のことなど全く記憶になかったのである。

ある日、ヤスシが葉月の病室に荷物を届けに来た時、葉月は冨樫の愛する葉月について聞いてみた。

「ヤスシさん、葉月さんって亡くなったんですか」

「えっ」

「それとも、どこかに生きているけど行方がわからないとか、この間三年間探してやっと会えたって言ってましたけど、その後どうなったんですか」

ヤスシは冨樫から口止めされていた。

三年前の山辺のこと、そして子供を流産したこと、忘れているなら、わざわざ思い出させる必要はないと……

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