❤️お前の身も心も捧げろ〜極道の寵愛は止められない
しばらく会いに来るのを躊躇していた。

ところが、冨樫を庇って、刺されたと聞き、見舞いに来たのだ。

葉月の病室に現れて、声をかけた。

「葉月、久しぶりだな、大丈夫か」

葉月はキョトンとしていた。

「すみません、どなたですか」

「ああ、そうだったな、俺は西沢組組長、西沢守だ」

「冨樫さんのお知り合いの方ですか」

「まっ、そうだな」

でも西沢は葉月のベッドに近づき、手を握った。

「葉月、無理するんじゃねえよ、冨樫組の奴らはしょうがねえから、
お前が冨樫を庇ったんだろうが、お前のすることじゃねえからな」

西沢は葉月の頭をくしゃくしゃっと撫でた。

そこに冨樫がやってきた。

葉月の手を握っていた西沢の腕を引っ張り、廊下に出した。

「おい、葉月に触れるんじゃねえ」

「痛えな、ちょっと葉月を誉めてやっただけだろうが、キスしたり、抱きしめたわけじゃねえだろうが……」

冨樫は西沢の胸ぐらを掴み言葉を吐いた。

「指一本でも触れたら許さねえ」

「わかったよ、この手を離せ」

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