❤️お前の身も心も捧げろ〜極道の寵愛は止められない
葉月の叫び声で、シャワールームに駆けつけた丸堂は、裸で蹲って泣き叫んでいる葉月を、タオルケットでくるみ、ギュッと抱きしめた。

「葉月、大丈夫だ、落ち着け」

葉月は丸堂にしがみつきながら「冨樫さん、冨樫さん」と叫んでいた。

「葉月、葉月」

しばらくすると、葉月は我にかえり、丸堂から離れた。

「ごめんなさい、私……」

葉月は身体を震わせながら泣いていた。

葉月ははっきりと山辺との異常なまでの生活の記憶が蘇ったのだ。

私は冨樫さんの妻でいる資格はない。

昨夜だって、丸堂さんと身体を重ねたんだ。

それから、丸堂は葉月とその場を後にした。

「葉月、何食べようか」

高級車に乗り込んで、丸堂は葉月の肩を抱いて尋ねた。

葉月は何も答えなかった。

その頃、冨樫は仕事を終えて、帰宅した。

マンションには、葉月はおらず、ヤスシと彼女が出迎えた。

「組長、自分は大変なことをしてしまいました」

「葉月は?」

「丸堂組若頭、丸堂健さんと一緒です」

「わけを話せ」

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