❤️お前の身も心も捧げろ〜極道の寵愛は止められない
俺はお前を手放す気持ちはない、お前は生涯、俺の妻だ、覚えておけ」

冨樫は葉月に告げると、葉月を抱えて、エントランスを出ようとした。

「待て、冨樫」

丸堂が冨樫の背中に声をかけた。

「今日の夜まで、葉月は俺のものだ、勝手に連れていっては困る」

「彼女の借金さえ払えば、葉月は関係ないだろう、これ以上葉月を
お前の側にいさせるわけにはいかない、お前を殴りたい気持ちを
抑えている俺を、これ以上掻き乱さないでくれ」

葉月を抱き抱えている冨樫の腕から怒りを感じた葉月だった。

冨樫さんは、言葉は優しいけど、私が勝手なことをして、丸堂さんと

一夜を共にしたことを怒ってる。

冨樫は葉月と共にその場を後にした。

丸堂は何も言えなかった。

しかし、葉月を諦められない気持ちが大きくなっていった。

冨樫は葉月を車に乗せ、発進させた。

冨樫は一言も話さない。

運転する横顔からは、怒りよりも哀しみを感じる葉月だった。

「冨樫さん、勝手なことをしてごめんなさい」
< 142 / 160 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop