❤️お前の身も心も捧げろ〜極道の寵愛は止められない
「葉月さん、西沢組組長の西沢守さんです」

葉月はぺこっと頭を下げた。

「冨樫のことも覚えてねえのか」

「冨樫さん」

「お前を命がけで守って、結婚した相手だ、冨樫組組長冨樫雅也、お前の旦那だろ」

この時、葉月はいつも夢の中に出てくる男性だと思った。

葉月、葉月と呼んでくれるが、自分を抱きしめてはくれない。

もしかして、亡くなったのかと思っていた。

葉月の夢に出てくる男性を冨樫だと思うほど、葉月の中では冨樫と言う名前は、

存在が大きかった。

覚えていないのに、考えるだけで、身体が熱くなり、ドキドキしてくる。

葉月は退院するまでに回復した。

ヤスシが案内してくれたのは、冨樫のマンションだった。

「葉月さん、入院する前までここに組長と住んでいたので、ここを使ってください」

「あのう、冨樫さんは?」

「組長は事務所に寝泊まりしてます」

「ここには戻らないんですか」

「そうですね」

会いたい、冨樫さんに会いたい。

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