❤️お前の身も心も捧げろ〜極道の寵愛は止められない
病室に向かうと、葉月は窓のほうを向いていた。

「葉月、俺がわかるか」

「冨樫さん?」

葉月は冨樫の声がする方に向いた。

葉月の瞳は綺麗だった。

目が見えないなどと誰が思うだろう。

「冨樫さん、手を握ってください」

冨樫は葉月の手を握った。

「ごめんなさい、目が見えなくなっちゃって」

「大丈夫だ、治療すれば視力は回復する、それまで俺が葉月の目になるよ」

「ありがとうございます、でもこのままでもいいかなって」

「どうしてだ」

「冨樫さん以外の男性を見ることが出来ないので、冨樫さん安心でしょ」

葉月はニッコリ微笑んだ。

「俺の顔だって見えないだろう、それは困る、視力回復の治療をがんばろうな」

「はい」

葉月の言葉に冨樫は、今までの自分勝手な言動を反省した。

冨樫は初めて神に祈った。

葉月の視力を返してほしいと……

怪我も回復して、葉月は退院することになった。

冨樫はずっと葉月に寄り添った。

自分が葉月の目になって、葉月の生活面を補った。

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