❤️お前の身も心も捧げろ〜極道の寵愛は止められない
「山辺のキス、抱擁に身体が震えて……」

「もう、言うな、これ以上聞きたくない、葉月の嘘は聞きたくない」

冨樫はわかっていた、葉月がわざと自分から離れようとしていることを……

そして、葉月もわかっていた。

冨樫の父親は葉月に息子と別れるように言ったのだと言うことを。

たとえ、死んだような人生でも、問題を起こされるよりはマシだと。

気性の荒い息子にどれだけ手を焼いたことか。

なんの問題もない女なら、祝福もしよう。

しかし、山辺と言う男は危険な人物だ。

そんな男と身体の関係が切れない女など、側においておいたなら大変なことになるとわかっていた。

葉月は言葉を続けた。

「嘘じゃありません、今度、山辺に誘われたら、自分から抱かれちゃいます」

「もういい、もう言うな」

葉月の言葉は嘘だとわかっていても、冨樫はこの気持ちをどうすることも出来ずにいた。

そして、葉月を引き寄せ、抱き抱えて、ベッドルームへ向かった。

「冨樫さん、下ろしてください」

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