❤️お前の身も心も捧げろ〜極道の寵愛は止められない
「だって、このお嬢さん、こんなに可愛い顔してるのに、胸デカくてやばくないですか」

俺は大きなため息をついた。

「全くお前は……」

「若頭は欲情しないんですか」

「お前、完璧にオスだな」

「自分は男です、デカい胸は大好きなんで……」

ヤスシは頭をかきながら照れていた。

俺はいつからだろうか、女に心が動かなくなった。

やはり三年前からか。

俺は三年前、激しい恋に落ちた。

冨樫組の若頭として、純風満帆に人生を歩んでいた。

その時に俺の結婚相手として、側にいたのが望美だった。

俺が二十八歳、望美は二十一歳だった。

望美は山上組の孫娘で、俺との結婚が決まっていた。

冨樫組と山上組は組をひとつにしようと計画していた。

ところが、望美は俺の他に男がいた。

極道の世界から抜け出したかったんだ。

相手の男は堅気の男で、望美が極道の孫娘だと知ってショックを受け、

自殺を図った。

そして、望美も後を追うようにこの世を去った。

俺は望美を愛していた。

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