❤️お前の身も心も捧げろ〜極道の寵愛は止められない
でも、冨樫さんは私のために、人の道を外れてしまう。

そんな目には合わせられない。

私が我慢しなくちゃ……

葉月は近くのコンビニでアルバイトをはじめた。

ヤスシは冨樫に報告を入れた。

「若頭、葉月さんはコンビニでアルバイトを始めました」

「そうか、お前、葉月に見つからないようにしろよ」

「わかりました」

冨樫も葉月の働いているコンビニに足を運ぶ。

ヤスシに見つからないようにと忠告した本人が、まさかの店の中まで入ってしまった。

冨樫は長身でスタイル抜群だ。

黒のスーツをパリッと着こなし、カッコいい。

冨樫本人は控えめのつもりだが、どこからどう見ても極道者だ。

「若頭、店の中まで入っちゃったよ、もうバレバレじゃん」

ヤスシがため息をつく。

案の定、ほかの店員が冨樫に気づく。

「葉月ちゃん、雑誌コーナーにいる人、ヤクザだよね、気をつけてね」

葉月は雑誌コーナーに目を向けると、驚きを隠せなかった。

そこに立っていたのは紛れもない冨樫の姿だった。

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