❤️お前の身も心も捧げろ〜極道の寵愛は止められない
葉月の胸の中はモヤモヤしていた。

仕事に集中しなくちゃ、そう思いながらもチラチラ冨樫と麗美を見てしまう。

しばらくすると、麗美は店から出ていった。

冨樫はやれやれとおもいながら、一冊の雑誌を手に取り、レジに向かった。

いつもの通り葉月に声をかける。

「今日は雨が降りそうだが、傘は持ってきたか」

「私のことは放っておいてください」

冨樫は思いもよらない葉月の言葉に戸惑いを露わにした。

「何か怒ってるのか」

「別に怒っていません」

明らかに不機嫌な態度を感じた。

うしろに客が並び始めたので、冨樫は仕方なく、その場から離れた。

冨樫は何が起こったのか全くわからなかった。

休憩時間になり、葉月は店から出てきた。

待ち伏せていた冨樫は、葉月に近づいた。

「葉月、待ってくれ」

思わず葉月の腕を掴んだ。

葉月はその腕を振り払おうとした。

冨樫は腕を引き寄せ、葉月を抱きしめてしまった。

冨樫は葉月の髪を撫で、想いが溢れて、おでこにキスを落とした。

< 34 / 160 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop