❤️お前の身も心も捧げろ〜極道の寵愛は止められない
第六章 二人を引き裂く黒い影
「ああ、悪い、悪い、葉月のアパートにいる」

「えっ、そうなんですか、葉月さん具合そんなに悪いんですか」

「そうじゃねえよ、とにかくこれから戻る」

冨樫はそうそう言って、スマホを切った。

「葉月、おいで」

冨樫は手招きをした。

葉月は冨樫の胸に抱きついて、そっと唇を重ねた。

「葉月、今日は仕事行くのか」

「はい、だいぶお休み頂いちゃったんで……」

「そうか、また葉月のアパートに来てもいいか」

葉月は恥ずかしそうに俯きながら頷いた。

こんな些細な幸せがずっと続くと思っていた。

冨樫は車でマンションへ向かった。

葉月は支度をしてコンビニに急いだ。

「すみません、長い期間お休み頂いちゃって……」

「大丈夫だよ、葉月ちゃんはよく働いてくれるから助かるよ、またよろしく頼むな」

店長にそう言われて恥ずかしそうに頷いた。

バタバタと午前中の業務が終了した。

午後になって、一組の男女が店に入ってきた。

葉月の名札を確認すると、女が声をかけてきた。

< 40 / 160 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop