❤️お前の身も心も捧げろ〜極道の寵愛は止められない
「ありがとうございました」

店員さんに礼を言って、冨樫は急いでアパートに向かった。

葉月、体調悪いなら連絡くれれば、迎えに来たのに……

アパートに着くと、葉月の部屋はも抜けの殻だった。

えっ、嘘だろ?

そこへ、大家さんが声をかけた。

「日向さんなら引っ越ししたよ」

「引っ越し?」

「なんか急で申し訳ないと言って、男の人と一緒だったな」

男と一緒?店を辞めて、アパート引き払って、連絡なしって……

嘘だよな、葉月。

冨樫は動揺を隠せなかった。

「大丈夫かい」

大家さんが心配するほど、冨樫は平常心を保っていられない状態だった。

冨樫はとぼとぼと歩き始めた。

スマホを取り出し、葉月の番号をタップした。

三回呼び出し音がなって、留守番電話に切り替わった。

「葉月、どこにいるんだ、何かあったのか?昨夜、俺、無理させちゃったのか?
俺の側を離れたんじゃないよな……」

そこで留守番電話の録音は終わった。

冨樫は大きく、深呼吸をして、マンションへ向かった。

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