❤️お前の身も心も捧げろ〜極道の寵愛は止められない
「葉月が行ってどうなるものでもないだろう、それに俺の立場も考えてくれ」

葉月は思った、私は冨樫さんを愛してる、それなのに、城之内さんを愛しているなどと嘘をついた報いだ、冨樫さんが大変な時に側にいることも許されないなんて……

葉月は冨樫の命が助かることを祈るしか出来なかった。

その夜、城之内はマンションに戻った。

「冨樫さんの容態はどうなんですか、意識は戻りましたか」

「そうだよな、愛しているなら心配するよな」

「あのう、どう言う意味でしょうか」

「お嬢を連れて病院へ行ったんだが、冨樫の意識不明の重体に対して、
もう帰るわよって言ったんだ」

葉月は黙って城之内の話に耳を傾けていた。

「愛しているなら、少しでも側にいたいって思うのが当たり前だろう、
なのにお嬢は帰ると言い出した、信じられなかった」

葉月は確信した、麗美さんは冨樫さんを愛してはいないと……

私だって、今更冨樫さんの側に行ってどうなるの?

でも……

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