❤️お前の身も心も捧げろ〜極道の寵愛は止められない
葉月は冨樫のベッドに近づいて答えた。

「葉月です」

「ヤスシの女か」

「違います」

「そんなにムキになることか」

「ごめんなさい」

そこへヤスシが入ってきた。

「若頭、遅れてすみません」

「遅えよ、それに関係ないやつにやたらと頼むんじゃねえ」

私のことだ、関係ないやつか、そうだよね。

「う、気持ち悪い」

その時、葉月はつわりの症状が出て、トイレに駆け込んだ。

「おい、大丈夫か、ヤスシ、様子見てこい」

「はい」

ヤスシは葉月の様子を見に行った。

「葉月さん、大丈夫ですか」

「大丈夫です」

ヤスシと葉月は病室に戻ってきた。

病室には麗美が見舞いに来ていた。

「よかった、意識が戻って」

「心配かけたな、麗美」

えっ、麗美さんのことも覚えてる、私だけ、冨樫さんの記憶から消えたってこと。

葉月はあまりのショックに病室の廊下から駆け出した。

「葉月さん」

ヤスシの呼び止める声は葉月には届かなかった。

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