❤️お前の身も心も捧げろ〜極道の寵愛は止められない
「違います」

葉月は目にいっぱいの涙を溜めて訴えた。

「すまん、泣くなよ」

冨樫は葉月の頬の涙を拭った。

俯いていた葉月の頬を挟んで、上を向かせて、そっとキスをした。

「妊娠のこと男に話したのか」

葉月は首を横に振った。

「なぜ話さないんだ」

葉月は気持ちがいっぱいになって、溢れ出してワンワン泣き出した。

「おい、おい、泣くなよ」

冨樫はギュッと葉月を抱きしめた。

葉月も冨樫の首に腕を回してギュッと抱きしめた。

「俺が葉月を守ってやる、安心しろ」

「でも、麗美さんが……」

「麗美がどうしたんだ」

葉月はつい麗美との約束を言いかけて、口をつぐんだ。

「麗美に何か言われたのか」

葉月は自分の気持ちをどうしていいかわからなかった。

「なあ、葉月、俺はお前との記憶がない、いつお前を見つけて口説いたのか、
お前がどんな男と一緒にいて、俺はどんなことを思い、どんな行動をとったか、
全く分からねえ、ただ一つ言えることは、麗美を側におくつもりはねえ、だから、
< 66 / 160 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop