❤️お前の身も心も捧げろ〜極道の寵愛は止められない
夢のまた夢だろうと思っていた。

起き上がって、キッチンで食事の支度を始めた。

背中から、冨樫が葉月を抱きしめてきた。

「葉月、おはよう」

「おはようございます、今朝食出来ますから」

「ああ」

「冨樫さん、病院へ戻らないといけないんじゃないですか」

「葉月の顔見てる方が早く治るよ」

それから二人で食事を済ませた。

葉月も安定期に入り、つわりもだいぶ収まってきた。

今は冨樫に大事にされて、幸せだが、山辺が退院してきたらと思うと、

気が気ではない。

それに、記憶が戻ったら、私の淫乱な過去も、明るみに出る。

そんなことを考えると、恐怖しかない。

食器を片付けていると、葉月の不安な様子に冨樫は気づいた。

「葉月、ちょっと出かけようか」

「はい」

そこにインターホンが鳴った。

インターホンの画面に映し出されたのはヤスシだった。

「若頭、病院へ戻ってください、後一週間は治療が必要だそうですから」

「うるせえ、病院なんかにいたら、余計に悪くなっちまう」

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