❤️お前の身も心も捧げろ〜極道の寵愛は止められない
小刻みに震えている葉月を、冨樫はギュッと抱きしめた。

「葉月、大丈夫だ、俺が守ってやる、心配するな」

葉月は涙が溢れて止まらなかった。

山辺のことを、何も聞かずにただ、抱きしめてくれる冨樫だった。

「もう、帰るぞ、ヤスシ、マンションへ頼む」

ヤスシはマンションへ車を走らせた。

その日の夜、葉月は山辺のことを冨樫に黙っていることは出来なかった。

ちゃんと話して、それで出て行かないと……

「冨樫さん、お話があります、聞いて頂けますか」

「ああ、何?」

「病院の入り口であった人の事です」

冨樫は黙って葉月の話を聞いていた。

「あの人とは三年前から男女の関係で、異常とも言える性癖の持ち主なんです、
しかも、ちょっとでも逆らうと手をあげて、ずっと逃げたいと思っていました」

葉月は話しながら涙が溢れてきた。

「ある日、チャンスと思い、あの人から逃げ出して、冨樫さんのマンション前で力尽きて
倒れて、看病して頂きました」

「そうだっけ、覚えてないな」

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