❤️お前の身も心も捧げろ〜極道の寵愛は止められない
葉月がポツリと言った言葉に驚きを隠せない冨樫だった。

「俺の子供?」

葉月は冨樫に背を向けた。

「葉月、何でそれを早く言ってくれなかったんだ」

葉月は毛布を頭までかぶり泣いていた。

俺はなんてことを……

葉月を何で信じてやれなかったんだと後悔していた。
子供の父親は城之内じゃない、山辺でもない、他に俺以外いないじゃないか。

なぜそれを気づいてやれなかったのか。

葉月は決して淫乱なんかじゃない。

それなのに、他の男と関係を持って出来た子供だとなぜ思ってしまったんだ。

しかも、葉月が逃げたいと思った山辺にされたことを、俺は葉月にしてしまった。

この時、急に頭痛に襲われ、冨樫は廊下に出た。

廊下の長椅子にうつ伏せになり、頭を抱えた。

色々な場面がフラッシュバックのように現れた。

冨樫は全ての記憶が蘇った。

そうだ、俺が葉月と生活を共にしたいと思い、避妊しなかった。

俺が望んだことなのに、自分からピリオドを打つなんて、俺はなんてことをしてしまったんだ。

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