❤️お前の身も心も捧げろ〜極道の寵愛は止められない
ヤスシは冨樫の足元に崩れ落ち、泣いていた。

冨樫は毎日、葉月の病室へ様子を見にきた。

しかし、葉月は冨樫に背を向けて、言葉かけても答えてはくれなかった。

退院の日、冨樫はどうしても外せない仕事で、ヤスシが葉月に付き添った。

「ありがとうございます、私なら大丈夫ですよ」

「でも、若頭がちゃんとマンションまで送り届けるようにって、俺が頼まれたんで送ります」

「私、マンションには戻りません、アパート借りますので、本当にもうここで大丈夫です」

「若頭の元に帰らないんですか」

「ちょっと怖くて、でも私がいけないんでしょうがないですよね、早く冨樫さんの子供だって伝えていればこんなことにはならなかったと思うんです、自業自得です」

葉月は涙を流して声を詰まらせながら、やっとの思いで言葉を発した。

「若頭に黙って出ていくことはだめだと思います、一度二人でちゃんと話し合ってから」

葉月はヤスシの言葉を遮った。

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