❤️お前の身も心も捧げろ〜極道の寵愛は止められない
しゃがんで冨樫に抱きついた、葉月の身体は震えていた。

「葉月、震えているのか、寒いのか」

「皆さんが怖くて……」

葉月の言葉に冨樫はやっと飲み込めた。

「お前ら、散れ、葉月が怖がっているだろう」

「はい、かしこまりました」

冨樫の命令で部下達は一斉に散った。

「ごめんな、気づいてあげられなくて」

葉月は首を横に振った。

冨樫は葉月を抱き抱えて、頬を擦り寄せた。

「葉月は可愛いな」

葉月のおでこ、頬、唇とキスをした。

「葉月、俺の側を離れるな、葉月は俺のものだ」

「はい」

葉月は満面の笑みを浮かべた。

そして、屋敷の中に入った。

奥の部屋では、冨樫の父親、冨樫組組長が座っていた。

冨樫は「失礼します」と言って、挨拶をした。

葉月も慌てて一緒にお辞儀をした。

冨樫組組長とは以前面識がある葉月だが、その時とは違い緊張が半端ない。

「二人お揃いでどんな用かな」

冨樫組長はにこやかな表情を見せた。

「今日は自分の妻になる女性を紹介するために伺いました」
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