❤️お前の身も心も捧げろ〜極道の寵愛は止められない
「山辺に頼まれたんだよ、お嬢さんを連れてきて欲しいってな」

葉月の顔色が変わり、身体が震え始めた。

呼吸が乱れて、過呼吸の状態になった。

「おい、どうしたんだ」

守は尋常じゃない葉月の様子に、ロープを解いた。

葉月は守の腕にしがみついた。

守はこの状況に、葉月を落ち着かせようと、ギュッと抱きしめた。

「大丈夫だ、安心しろ、ゆっくり、呼吸するんだ」

守はこの時、ある女性を思い出していた。

それは三年前、ヤクザの抗争に巻き込んで命を落とした妹。

その妹も過呼吸を起こしていた。

妹は堅気で、守は不良から極道の道へ入り、西沢組長の養子になった男である。

そんな妹に葉月は似ていた。

やっと葉月の過呼吸も治ったが、小刻みに身体は震えていた。

「おい、山辺とどう言う関係だ」

葉月は語り始めた。

「三年前から付き合っていたんですが、暴力が酷くて、抱かれたくないのに、
拒めない私の弱さで、三年間ずっと彼から離れられなくて、でも私、勇気を出して、
逃げ出したんです」

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